以前雑誌で、「ふすまは巨大なキャンパス」というタイトルで、破れたふすまと、気に入らない絵柄の料理法を轡きました。このテーマは関心が大きいとみえ、ずいぶん反響もありました。自分の家ならともかく、賃貸住宅に住んでいる人は、ふすまの絵が気にいらないとか、ちょっと破けたというぐらいで替えてもらうわけにはいきません。そこで、あとでも詳しくふれるように、絵を描くなどの改修を提唱したわけです。自分でも、ちょっと過激かなと思ったのですが、案の定、大家さんからのクレームもきました。
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ふすまを裏返して、何も描かれてないところに、というアイデアでも、やはり困るというのです。破れたら切り貼りをするのに、そのことは何もいわずに、ちょっと不公平だなとは思いましたが、とにかく、このアイデアを実行するときは、大家さんと話し合ってから……という注意を添えておくことにしました。絵を描くことがダメでも、ふすまの裏をなんとか活用できないものかと考え、思いついたのが、この“ふすまポケット”。和室の押入れ扉に使われているふすまの裏を、厚さを利用した小物などの収納庫にします。ふすまの中は、障子のような桟になっていますから、表の紙だけ残して、裏の紙を桟に合わせて切り抜きます。そして、ベニヤ板などで、下半分をふさぎます。もちろん、布のポケッ卜をつけてもよいでしょう。靴下やハンカチ、あるいは手袋などの小物を入れてもよし、状差しや、カセットテープの収納にも使えます。大きさに合わせて桟を切り取れば、最近ふえるいっぽうの、CDレコードや、ワープロなどのディスク入れとしても最適でしょう。厚さ一・五センチの聖域にへそくりを入れて「お釈迦様でも泥棒でも気がつくめえ」とばかりに、秘密の収納庫にするもよし。たかがふすま、されどふすま。なんの芸もないふすまの裏を見ると、とてももったいなく思うのですが……。