静岡方式「わが家の簡易耐震診断法」

2011.09.30

公共の施設がこのありさまですから、一般の家で耐震診断や補強が進まないのは当然です。特に木造住宅の耐震補強は置き去りにされているといっていいでしょう。そんななかで既存の家の補強に熱心なのが静岡県と横浜市です。東海地震の不安を抱える静岡県では、阪神淡路大震災が起きる前から、住民自らが木造住宅の耐震性を診断できるようにと、冊子にして配ってきました。静岡方式の「わが家の耐震診断法」は「壁の割合」「地盤と基礎」「建物の形」「壁の配置」「筋交い」などで総合評価しますが、やり方はこうです。たとえば「壁の割合」を出すときは、まず建物の平面図を方眼紙に書きます(二階建ても一階の平面図を書く)。その際、目測で自宅の壁の長さを測り、方眼紙の一マスを半間として書き込みます。ただし、窓のある壁は除きます。そうして横方向の壁の長さと縦方向の壁の長さを出し、低いほうの数値を選択します。その数字(間数)を建物の面積(坪)で割り、「坪当たりの壁の長さ」を出すわけです。この場合、方眼紙の四マスを一坪に計算します。そして、この坪当たりの壁の長さを「必要壁の長さ係数」で割ります。「必要壁の長さ係数」は一戸建てで瓦など重い屋根であれば「〇・二七」といったように決まっています。こうして計算した数値によって「壁の割合」についての評点を出し、その他の「地盤と基礎」「建物の形」などの評点と掛け合わせて「総合評価」を割り出すのです。「総合評価」は「安全」「専門家の診断が必要」「倒壊または大破壊の危険あり」の三段階に分かれ、問題がある家には改めて「耐震診断補強相談士」を派遣して、詳細に診断するというものです。この相談士は木造住宅専門の建築士や大工が当たり、診断料は無料です。ただ診断を希望する住民はいても、実際に補強工事までやっているかというと、なかなかそこまでは至らないようです。「費用がかかる」というのがその最大の理由のようです。県としては、平成十四年四月から、大地震で倒壊する恐れのある木造住宅を対象に、耐震補強工事費として一戸当たり一律三〇万円を補助する制度をスタートさせましたが、その成果はこれからです。

[参考]
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